苗木の生長
接ぎ木や挿し木で生まれた苗木は、
はじめの1~2年は樹の骨格を作る期間。
この時期に生長する新梢は、将来幹や主枝となり、
長年にわたって果実を生産する結果枝の支えとなる。
また、根が吸収した養水分の通路として貴重な働きを果たす。
したがって、内部組織が緻密で導管が良く発達していて、
年々新たな通導組織を形成しながら肥大成長を行う
形成層が充実していることが重要。
また翌年の初期生長が順調に始まるように
デンプンや各種の無機、有機養分が十分に蓄積されていることも重要。
そのためには、新梢が適当な速度で堅実な生長をするように
生育管理をしなければならない。
肥料を与えすぎると、ひょろひょろと軟弱徒長するわけですね。
良い苗木とは。以下、引用。
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しっかり生長したときの新梢は、節間が長すぎることなく、
よく締まり、節と腋芽とが良く発達して、
いわゆる電光型になっており、
木化したときの茎の色が明るい褐色で、しみがなく、光沢がある、
などの外観的特徴をもつ。
また、根も分岐の多い細根が
株元近くの比較的浅いところに多く分布するのがよい。
これに対して、早く樹の骨格を広げることばかりに気を取られ、
窒素質肥料と水を多く与えて肥効を促すと、
当然新梢の生長は旺盛となって太く長い枝が得られるが、
節間が太りすぎて脇芽が埋没した状態となり、
翌年の新梢の発芽が悪くなる。
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苗木作りについて
苗木屋の1年
フランスの苗木業者「アンリ・グザヴィエ・ギョーム」を参考に。
畑は2種類。台木用の畑と、穂木採取用の母樹の畑
12月:台木用の畑から台木用の枝を収穫1月:芽かき、切断、消毒穂木の収穫
1月:切断と消毒
2月:接ぎ木
3月~4月:促成栽培
5月~10月:発芽して問題なくカルス形成された苗木を、
苗木用の畑に植樹、栽培。
11月:葉が落ちた後に苗木を引き抜いて収穫
12月~1月:引き抜いた苗木の選別と仕分け
2月~4月:梱包、出荷。
用途に応じた苗木の形状
苗木にはワインの造り手の用途に応じて、2つの形状がある。
野外の苗床で栽培した苗木は、
新しい畑や区画に一斉に植樹する場合に向いた苗木で、
根から土を取り除き、先端の枝の部分が乾燥しないように、
パラフィン加工を施して出荷される。
他方、古くなって引き抜いたブドウ樹の代替として
畑や区画の一部に植樹する場合には、
既存の樹と競合できる強い根にする必要があるため、
根が広く早く伸びるように、
腐葉土を混ぜた土を入れた鉢(ポット)に1本ずつ植えて、
温室で栽培した苗木が土と鉢(ポット)付きのままで出荷される。
これらポット・スタイルの苗木は、
ガラス室やビニール・ハウスなどの温室で栽培される。
挿し木について
ブドウは挿し木(剪定した枝を土にさす)しておけば、
発根→発芽し、親と同じ遺伝子を持ったブドウの樹になる。
植物の中でも、ブドウは挿し木の発根が容易なので、
育成はほとんど挿し木によるもの。
挿し木したものがよく発根し、
苗木として十分に成長するためには、2つの条件がある。
「果樹園芸大百科3 ブドウ」引用する。
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① 挿し穂自身が充実していること
とくに、穂木中に炭水化物が多く蓄積されていることが重要。
そのために、前年の秋の葉量は絶対条件となる。
また、挿し穂を糖液に浸漬してから挿し木すると、
発芽しやすくなることも知られている。
これらの他に、発根ホルモン(リゾカリン)が必要。
この正体はサイトカイニン(おもに細胞分裂を促進するホルモン)
と考えられている。
他にもオーキシンを与えても発根が促進されることから、
発根には多くの物質が関与していると考えられる。
②穂木が発芽、展葉する前に発根すること
発根に先立って発芽・展葉すると、葉からの蒸散で水分が奪われ、
枯死したり、著しく成長が停滞したりする。
先に発根させるためには、芽の休眠がさめていない12月頃から挿し木して、
やや低めの温度(10~20度)におくと、根は休眠が無く、
生長開始に要する温度も芽の場合より低いので、
先に根の原基が形成され、発根が始まる。
あるいは挿し床だけを暖める方法も確実な効果を発揮する。
発根した挿し穂は、水分だけでなく、
芽の生長に必要な養分を吸収することができるし、
根そのものがサイトカイニンなどのホルモンを合成して根に送るので、
発芽後の芽の生長は急に活発になり、
秋までに数メートルにおよぶ新梢生長をとげることができる。
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特に②は工夫しないといけない。
電熱線とか通して、下から温めるのが重要。
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